こんにちは、まるおです。
お客様にとってはもちろん、美容室側としても避けたいものに「クレーム」があります。
美容室で行う施術というのは、お客様のご希望・ご要望に対して、あくまで美容師がこれまでの知識と経験を元に施術し、ヘアデザインを作っていくものです。
そんな美容師も人間です。
髪質や髪の状態を見誤り、お客様のご希望通りのヘアスタイルにならない場合ももちろんあります。
接客業である以上、クレームという問題から避けては通れませんが、実態のない技術というものを売りにしている以上、ある程度は避けられない部分もあります。
この記事では、そんな美容室へのクレームを、美容師目線、そしてお客様目線からも解説していきます。
Contents
美容室でよく起こるクレームとその対処法
カットした髪が短すぎる・軽すぎる
まずは髪の長さ。
美容室では多くの場合、髪の毛が濡れた状態でカットしていくことが多いです。
濡れている髪の毛は乾くと短くなります。
美容師が長さ設定を怠ったために、短くなってしまうパターンです。
そしてもう1点、カットクロスをつけている状態で見えている髪の長さと、カットクロスを外した時の長さは見え方にやや違いがあります。
カット中はちょうど良いと思っていた長さが、カットクロスを外すと思ったより短かかった、というケースはよくあります。
次に髪の量。
多いからと梳いてもらったら梳きすぎで軽くなりすぎてしまったケース。
髪の量に関しては、美容師とお客様との間に、目で見て分かるような明確なものはありません。
触ってみて重い・軽いを一緒に判断していくことになります。
髪の長さ・髪の量に関しては、1度切ったものを元どおりにすることはできません。
時間が経って、髪が伸びる・増えるまで時間が必要になります。
1度起こってしまうとどうしようもないケースが多いので、そうならないために注意することが必要です。
長さを少しずつ切ってもらう、手で触って量を確かめながら量を減らしてもらうことが必要です。

カラーの仕上がりが暗い・明るい
ヘアカラーは担当スタイリストだけでなく、アシスタントも施術することが多い技術のため、クレームも多い施術内容です。
カラーのクレームで多いのが暗すぎる・明るすぎるといったもの。
明るく仕上がった場合、色を入れて暗くするのは簡単ですが、暗くなりすぎた場合は色素が濃く入ってしまったケースでは、すぐに明るくするのが難しい場合もあります。
他には白髪が染まっていなかった、ムラになったetc…などが挙げられます。
カラーの染まりは人によって個人差があるため、美容師側もうまく判断できないケースが多々あります。
現状の髪よりどのくらい暗くしたいのか?明るくしたいのか?カウンセリングでしっかりと美容師に共有してもらうことが大事です。
「色がすぐ落ちた」というクレームは受け付けてくれない場合がほとんどです。
希望の色と違ったという場合であれば対応可能ですが、カラーの持ちは通常3〜4週間ほどでどんどん色落ちしていきます。
次回のカラーチェンジができるように濃すぎる色素は使わない場合もあります。
なるべく色持ちをよくしたいときはその旨を伝えた上で、少し濃いめに色をいれてもらう、ご自宅ではカラーシャンプーを使うなどの対策もおすすめです。

パーマのかかりが弱い・強い
実は美容室でのクレーム・お直しが一番多いのはこのパーマによるものが最も多いです。
パーマはカラーリング以上に髪質・髪の状態によって左右されるため、しっかりとした毛髪診断の元の薬剤設定、そしてパーマデザインに合わせたカットが必要になってきます。
パーマが弱い場合、髪のコンディションに問題がなければパーマのかけ直しをお願いしましょう。
逆にパーマが強い場合は少し様子を見ても良いかと思います。
パーマは2週間ほどで元々の髪のクセや毛流れと馴染んできます。
2週間経っても強いと感じる場合は美容室に相談しても良いですが、パーマは時間と共に弱くなるので、その辺りも踏まえて検討して見てください。
縮毛矯正で癖が伸びていない
縮毛矯正によるクレームも非常に多いクレームのひとつです。
縮毛矯正はとても繊細な施術のため、その多くはダメージとの戦いになってきます。
クセをしっかり伸ばそうと強い薬剤を使うとダメージにつながりますが、ダメージを気にして薬の力を減力するとクセが伸びないということもしばしば。
縮毛矯正は、髪質や髪の状態に最も強く影響を受ける施術といっても過言ではありません。
クセが伸びなかった場合、お直しをお願いするのは良いのですが、ダメージをどのくらい考慮してくれるかによります。
1度伸びなかったものを伸ばすため、それなりに強い薬で伸ばすことが想像されます。
そうなると、ダメージはやはり気になるところです。
1度伸びなかった場合は、縮毛矯正専門店にお願いするという選択肢もありかと思います。

髪が著しくダメージした
髪のダメージ状態を見誤ったことによるクレームです。
ブリーチ、パーマ、縮毛矯正の施術による髪への過剰な負担から生まれるものです。
もちろん薬剤を使っている以上、全く傷まない施術というものは存在しません。
しかし著しく髪が損傷した場合には、美容師側の薬剤選定ミスも疑われます。
基本的に1度傷んでしまった髪は元には戻せないので、そうならないようにすることが我々美容師の役目ですが、
明らかに通常のダメージとは異なる大きなダメージを感じた場合は美容室へ相談し、今後のアフターフォローなどを仰ぎましょう。
イメージ通りの髪型にならなかった
こちらも大変多いクレームのひとつです。
意外と多いのが、「やってみたくて試したが、自分にこの髪型は似合わなかった」というケースです。
この場合はスタイルを大幅に変更する場合には、お直しではなく有料の対応になることが多いです。
例えばボブにしてみたが、あまり気に入らずショートにするなどです。
スタイルチェンジはお直しにならないことがほとんどです。
あとは美容師によってもその対応は様々です。
もう1点覚えておくと良いことが、髪型のイメージはとても曖昧かつ主観的なものですので、美容師さんとお客様とのイメージの共有はなるべくビジュアルで共有することをおすすめします。
これだけで、美容師とお客様のイメージのすれ違いを防ぐことができます。

まとめ
美容師の技術的な部分でのクレームをまとめてみました。
美容師の施術は手作業プラス薬剤を使うものが多いため、意図せぬミスや失敗も当然あります。
お客様には、感じたものを正直に美容師にお伝え頂きたく思います。
決して泣き寝入りすることなく、美容室に相談して頂きたいと思います。
そしてそれに対応する我々美容師は、まずミスによるクレームが起こらないように努めることはもちろんですが、起こってしまったものにどう対応するか?の方が大切なことのように思います。
真摯に向き合い、対応してくれる美容師さんは今後も付き合っていく価値のある美容師です。
逆に言い訳をしたり、態度に出るような対応をする美容師さんはこの際切ってしまいましょう。
良い時ではなく、悪い時にどんな対応をしてくれるかが、その美容師の本当の器と懐です。
まるお