Wes Montgomery / Full House
ジャズと言うと、サックスやトランペット、ピアノというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、意外とギターもそのひとつなんですね。
管楽器に比べギターの音はとても身近に感じる音なので、実はジャズの中でもギターメインの演奏は意外と聴きやすいんです。
今回はジャズギタリストのウェス・モンゴメリーの最高傑作の呼び声高い「フルハウス」をレビューしていきます。
このアルバムはカリフォルニアの「ツボ」クラブで録音されたライブ演奏であり、その素晴らしい演奏と共にライブならではの臨場感も楽しめるおすすめの1枚になっています。
またギターのウェス・モンゴメリー以外のメンバーも、テノールサックスにジョニー・グリフィン、ピアノにウィントン・ケリー、ベースにポール・チェンバース、ドラムにジミー・コブとそれぞれリーダーとしても人気なアルバムを発表している実力派の超豪華メンバーで演奏力の高さもひとつの聴きどころとなっています。
1. Full House
ジョニー・グリフィンのサックスとウェスのギターが軽快に混ざり合うスイング感抜群のオープニングナンバーです。
ウェスはオクターブ奏法と呼ばれる独特の技法を駆使しながら、非常に柔らかい音色を出すギタリストです。
その音色がまた非常にジャジーな雰囲気を醸し出しており、サックスとの相性もぴったりなんです。
9分を超える曲ですが、まったく長く感じない・何度でも聴きたくなるような名曲です。
こちらもジャズ史に残る名演と言って良いと思います。
2. I’ve Grown Accustomed to Her Face
とっても耳に心地よいウェスのギターの音色から始まるナンバーです。
と言うのもこちらはウェスのソロナンバーで、まるで観客が寛いでいるかのような雰囲気が思い浮かぶようなゆったりとしたリラックスナンバーです。
3. Blue ‘N’ Boogie
2.から一転、アップテンポで疾走感あるナンバーです。
それぞれの超絶技巧を余すことなく披露されていて、緊張感のあるスリリングなライブ感がまたたまりません。
このアルバムのハイライト的1曲と言って良いかと思います。
めちゃカッコ良いので是非聴いて欲しいクールナンバーです、おすすめ!
4. Cariba
LPではここからがB面になります。
グルーブ感が非常に心地よいラテンナンバーでB面が始まります。
各々のソロが非常に秀逸で、個人的には特にウィントン・ケリーのピアノが最高に好きな1曲です。
このアルバムで彼を好きになった方は是非彼のリーダー作も本当におすすめなので聴いてみてください。
5. Come Rain or Come Shine
こちらもリラックスした雰囲気の軽快なナンバー。
どこか余裕すら感じさせるプレーはやはりテクニシャン揃いの名演という他ありません。
ウェスのギターの音色がとっても素敵な1曲です。
8. S.O.S.
ラストを飾るアップテンポのブルースナンバー。
ジョニー・グリフィンのサックスがとてもかっこいい1曲です。
そしてそれを縫うようにウェスのギターの音色がまた最高なんです。
こちらもおすすめの1曲、名演と呼ぶにふさわしいラストナンバーです。
まとめ
ジャズでもギターが加わると一気に身近な音になり、初めてジャズを聴くという方でも非常に聴きやすいアルバムかと思います。
超絶技巧満載のこのアルバムは飽きることなく長く楽しめる1枚でもあり、たくさんの方におすすめできるジャズの名盤のひとつです。
まるお