数あるミリタリーパンツ、いわゆる軍パンの中でもトップクラスに人気のあるのがフランス軍のM47カーゴパンツです。
迫力のあるワイドシルエットでありながら、軍パンらしかぬ上品さを併せ持ったフランス軍の名作と呼ばれています。
ヴィンテージブームも相まって、近年は価格も非常に高騰しており入手困難なミリタリーアイテムとしても注目を集めています。
この記事では、フランス軍M47カーゴパンツを解説していくと共に、実際に自分が所有するフランス軍M47カーゴパンツの紹介もしていきます。
M47カーゴパンツとは？
M47カーゴパンツはその名の通り1947年からフランス軍で実際に採用されていたフィールドパンツです。
実はM47カーゴパンツには前期モデルと後期モデルが存在し、その生地やシルエットが異なります。
一般的に1940〜1950年代のものを前期、1960年代以降のものを後期と呼びます。
M47カーゴパンツは、その後継モデルであるM64カーゴパンツが1964年に登場するまでフランス軍のフィールドパンツとして採用されていました。
M47カーゴパンツを象徴する逸話として有名なのが、マルタンマルジェラがショーでM47カーゴパンツを裏返しにモデルに穿かせてランウェイを歩かせたというエピソードがあります。
このエピソードからも、M47カーゴパンツの縫製技術の高さや完成度の高さをうかがい知ることができます。
さらに芸能人の方の着用も知られており、宇多田ヒカルさんが「Automatic」のPVで着用されていたことや、菅田将暉さんが紅白歌合戦で着用されていたことが有名です。
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サイズと価格
M47カーゴパンツはそのクオリティの高さから非常に人気のあるアイテムで、さらに年代物のヴィンテージのため、今後新しく製造されることはなく、年々その個体数は減少の一途を辿っています。
需要と供給のバランスが崩れ、M47カーゴパンツは今では非常に高価な値付けがされていることでも知られています。
M47カーゴパンツのサイズ表記は21、33、35のように表記され、レングス・ウェストの順番です。
21だとレングスが2、ウェストが1ということです。
これはアメリカのジーンズのサイズ表記のウェスト・レングスとは逆の表記になるので注意しましょう。
一般的な日本人の男性の体型ですと、レングスは2、ウェストは1〜3辺りがちょうど良いサイズ感です。
表記だと、21・22・23あたりです。
小柄な方だとレングスは1でも良いくらいです。
そしてM47の入手が困難と言われているのは、サイズが小さくなるほど希少で価格が高くなるということが関係しています。
M47カーゴパンツは大きめのサイズになると比較的見つかりやすく価格も抑えられる傾向にあります。
35サイズ（レングス3ウェスト5）という個体は非常に簡単に見つかりますが、そのサイズ感はとてつもなくデカいです。。
それでも現在の購入価格相場は、状態の良いものだと3〜４万円程度になるかと思われます。
需要の高い21・23サイズになると、６〜７万円するのも珍しくありません。
この点からも人気の高さが伺えます。
ただ現在では非常にクオリティの高いレプリカも作られており、サイズも豊富に展開されており、価格も抑えられていますので、そちらを購入するという選択肢もあります。
M47カーゴパンツ
現在自分が所有しているM47カーゴパンツは、前期35サイズ・後期31サイズです。
両方ともデッドストックで購入したのですが、17２cmという自分の身長ではやはり3というレングスが長く感じロールアップを強いられる長さでした。
ということで、これから紹介する自分のM47カーゴパンツはレングスをジャストに設定してお直しをした個体になります。
恐らくレングス表記にするとレングス1相当になっているかと思います。
前期15サイズ・後期11サイズとしてご覧頂けるとサイズ感が分かりやすいと思います。
どちらも非常に気に入っている大好きなアイテムです。
シルエット
前期フロント
前期バック
後期フロント
後期バック
平置きでのシルエットはこんな感じになります。
前期の方は土管のような極太ストレート、後期の方はややテーパードが効いたワイドストレートのシルエットです。
もちろん好みもありますが、後期の方がコーディネートを選ばず使いやすいという声が多いですね。
生地
前期
後期
生地は前期と後期においてずいぶん異なってきます。
前期は厚手のコットンツイル、後期はヘリンボーンツイルとなっており前期に比べるとやや薄い生地感です。
どちらも経年変化が楽しめる素材ですが、個人的には前期のガサッとした生地がとてもすきですね。
サイズ表記
前期
後期
消えかかっていて少し見づらいですが前期はスタンプ、後期は当て布にサイズ表記があります。
トップボタン
前期
後期
トップボタンは前期は2個ついており、後期になると1個になります。
こちらは尿素ボタンですが、前期の古いものになるとメタルボタンのものも見られます。
裾アジャスター閂
前期
後期
裾野アジャスターは裾上げの際に移植したのでちゃんとあります。
細かいディティールですが、前期のアジャスターには閂（カンヌキ）がありますが、後期ではありません。
この部分も忠実に移植して頂きました。
着用画
前期
後期
前期
後期
tops : ヘインズ ゴールドパックTシャツ
pants : フランス軍 M47 カーゴパンツ
shoes : ドイツ軍 ジャーマントレーナー
172cm56kg痩せ型の自分が着用してみました。
前期の方がドカンと太く、後期はワイドなのにきれいなシルエットだと思います。
特に横からのアングルだとその太さが分かりやすいと思います。
両方ともすでに何回か洗濯・乾燥機にかけてあり、M47カーゴパンツ独特の風合いが出ていると思います。
デッドストックの綺麗な感じも捨てがたいですが、洗って乾燥機にかけた感じの方が雰囲気が出てとてもカッコ良いです。
まとめ
フランス軍の名作、そして軍パンの最高傑作とも表されるフランス軍M47カーゴパンツ。
軍パンでありながら上品さも併せ持つこのカーゴパンツは普段のコーディネートにも取り入れやすく、自分個人としても非常に出番の多いパンツです。
ジーンズと違い気兼ねなく洗えるのと、太めなので肌にまとわりつかないので1年中穿ける汎用性の高いアイテムです。
気になっている方は是非古着屋さんに足を運んで実際に手に取ってその魅力を感じてみてください。
まるお
