古着界において、ミリタリーウェアというのは非常に人気の高いカテゴリーのひとつです。
その中でも頂点に君臨すると言っても過言ではないのが、【US ARMY M-65 フィッシュテールパーカー】(以下M-65フィッシュテール)です。
その人気は凄まじく、古着屋さんに行くとびっくりするほどの価格表記になっており、その高騰ぶりには目を見張るものがあります。
さらに様々なブランドがレプリカを作ったり、デザインをサンプリングしたりと、その佇まいはファッション好きでなくとも一度は目にしたことがあるくらい広く浸透しています。
この記事では、そんなミリタリーヴィンテージの王者のM-65フィッシュテールについて解説していきます。
US ARMY M-65 フィッシュテールパーカーとは？
M-65フィッシュテールは、1960年代後半からアメリカ陸軍で採用された極寒地用のフィールドパーカーになります。
M-51フィールドパーカーの後継モデルとなり、いわゆる「モッズパーカー」と呼ばれるものは前身のM-51のことを指します。
M-65にはフィールドジャケットやカーゴパンツも存在し、いずれも非常に高い人気を誇るミリタリーアイテムとして知られています。
M-65フィッシュテールはフード、ライナー、シェルが独立しており、それぞれを組み合わせることで春〜冬にかけて長いシーズンに渡り着用することができます。
すべてが揃ったフルセットのデッドストックともなると非常に希少でとてつもない価格にまで高騰しています。
US ARMY M-65 フィッシュテールパーカー
実際に自分が所有するM-65フィッシュテールのディテールを解説していきます。
全体シルエット
すべての装備の上に羽織るために大きめの作りで、そのシルエットは綺麗なAラインになっています。
後ろの裾部分が長くなっており、魚の尾びれのように別れていることから「フィッシュテール」の呼び名がついたとされています。
素材感
シェルの素材にはハリのあるコットンナイロンが使用されています。
こちらは前身のM-51の素材と変更がありません。
内側
内側にはライナーを装着しています。
ライナーはキルティングになっており、装着するととても温かいです。
ライナー単体でも羽織ることができ、このライナーをサンプリングしたものも良く見かけます。
ライナー・フード共に内側でボタンでの着脱となります。
袖
袖にはボタンがついており、袖口から冷気が入らないよう袖を絞って着用することができます。
袖口を絞ると腕が膨らんだような形になり、これがまたとても可愛いシルエットになります。
裾
後ろの裾部分は二股になって長くなっており、フィッシュテールという名の由来とされています。
こちらにもスナップボタンがついていて、裾のフィッシュテール部分を内側に折って着ることが可能です。
フロントポケット
フロントの左右には大型のポケットが配されています。
このポケットの裏地にはウールが貼ってあり、中は非常に保温性が高い作りになっています。
フロント
フロントはジッパーとフロントボタンで開閉可能となっています。
写真のものはいわゆるプラスジップと呼ばれるものですが、これより古い年代になるとアルミジップのものも存在します。
腰部分にはドローコードが配されていて、腰部分を絞って着用することができます。
タグ
シェル・ライナー・フードそれぞれに軍官給品の証を示すミルスペックとストックナンバーがつきます。
これがついていることが、軍実物品である証拠となります。
シェル
シェルは1974年製になります。
サイズはmedium/regularですが、かなり大きめな作りでXL相当のサイズ感があると思います。
ライナー
ライナーは1983製になります。
こちらもサイズはシェルに合わせてmediumになります。
ライナーはシェルに比べると劣化しやすく、古着での購入の際は状態を確認することをおすすめします。
もっともライナー単品での購入は、シェルと比べると比較的安価で入手可能です。
フード
フードは1984年製になります。
シェル・ライナー・フードがすべて揃ったフルセットは非常に高額になりますが、その中でも1番高いのはシェルです。
フードは単品だけで売られていることもありますが、そんなに多くは見つからない印象です。
フードが欲しいという方は、フルセットで買うか、後ほどフードだけを購入するかの2択になります。
着用画
172cm54kg痩せ型の自分がサイズmedium/regularを実際に着用してみました。
まずフルセットからどうぞ。
outer : US ARMY M-65 フィッシュテールパーカー フルセット
jacket : US ARMY ECWCS GEN2 LEVEL3 フリースジャケット
pants : Uniqlo
shoes : Converse Jackpercel
かなり大きめのサイズ感になりますが、内側にしっかり着込める余裕があるのでとても便利です。
ちなみにこの内側にはECWCS GEN2 LEVEL3の肉厚なフリースジャケットを着ていますが、窮屈さはまったくありません。
フルセット、特にフードの着用は首元の保温性が高まるためとても温かいです。
むしろフードをつけない場合は首元が寒いので、真冬はマフラーなど首元の防寒対策が必須になります。
次はフードなしのコーデです。
outer : US ARMY M-65 フィッシュテールパーカー フルセット
jacket : Levi’s 70505 BIGE 60’s
pants : Levi’s 501 66前期 70’s
shoes : Converse All Star made in USA 90’s
フード無しの場合は首元がスッキリするのでコーディネートがとても組みやすいです。
街で見かけるのもフード無しでの着こなしが圧倒的に多い印象です。
デニムとの相性もとても良いので、デニムオンデニムに羽織るだけでコーディネートが完成します。
正直、真冬以外はフードはあまり必要ないのですが、レプリカやサンプリングされたものは大抵フードがないデザインが多いので、差別化を測りたい人はフードは持っておいた方が良いです。
またM-65フィッシュテールは定番アイテムではありますが、フード有り無しの着こなしにはトレンドも左右するので、フードが手元にあった方が安心ではあります。
個人的には1月〜2月の寒い時期のフードをつけて着用しています。
ライナーは面倒くさいので基本外しません。笑
まとめ
M-65フィッシュテールの人気や影響力は絶大で、世の中の本当にたくさんのファッションブランドがこのM-65フィッシュテールをサンプリングしたアイテムを発表しています。
ミリタリーブランドのレプリカ・復刻はもちろん、セレクトショップのオリジナル、ファストファッションブランドもM-65フィッシュテールを参考にしたアイテムを発表しています。
男女問わず非常に人気が高いミリタリーアイテムであり、年々その希少性は高まっています。
まるお
