Bill Evans / Waltsz for Debby
恐らくもっとも知名度の高いジャズアルバムと聞かれて多くの方が答えるのが、今回紹介するビル・エヴァンス「ワルツ・フォー・デビー」かと思います。
ジャズを知らない人・ジャズを聴いたことのない方でも、「名前だけは知っている」方や「このジャケットは見たことがある」という方も多いと思います。
もちろん知名度だけでなくその中身も本当に素晴らしい内容で、ジャズの名盤ランキングなどでもマイルス・デイビスのカインド・オブ・ブルーと並んでトップに評されることが非常に多い傑作です。
ちなみにそのマイルス・デイビスのカインド・オブ・ブルーにもビル・エヴァンスが参加しているという嘘みたいな本当の話。。
ピアノトリオと呼ばれる、ピアノ・ベース・ドラムのシンプルな構成から生まれる優しい音色に包まれるこのアルバムは、ジャズ初心者にもおすすめされることがとても多いです。
個人的にもジャズはこのアルバムから聴けばまず間違いない1枚だと思います。
そんなジャズ界のみならず音楽界における大名盤を紹介していきます。
1.My Foolish Heart
このアルバムは実際のライブを録音したもののため、拍手やおしゃべり・食事のお皿やグラスの音までもが聴こえてきます。
ライブならではの臨場感もこのアルバムを語る上では欠かせないポイントです。
そんなアルバムの1曲目がこちらのナンバー。
ピアノの優しい音色にうっとりしてしまいそうな、それはそれは美しい楽曲になっています。
ビル・エヴァンスらしい耽美的な雰囲気が非常に際立っています。
ジャズ史上もっとも美しいナンバーといっても過言ではないくらい本当に素晴らしい楽曲です。
2.Waltz For Debby
さまざまな場面で耳にしたことがある方も多いであろう有名なナンバーです。
この曲はビル・エヴァンスが、当時2歳だったデビーという姪のために書いたと言われる何ともロマンティックなエピソードを持っています。
優しいピアノのメロディーから始まり、ベースとドラムが絶妙にピアノと絡み合っていくリズミカルな曲へと展開されていきます。
終始優しく可愛いらしい雰囲気で進んでいくこのアルバムのタイトルナンバーはひとつの大きなハイライトとしてこのアルバム内で非常に重要なポジションを担っています。
いや〜、もうずっと聴いてられます。
本当にいつ聴いても名曲です。
3.Detour Ahead
落ち着いた大人な雰囲気のスローナンバー。
ピアノ・ドラム・ベースそれぞれが主張しすぎることなく優しく混ざり合う、非常にしっとりとした楽曲に仕上がっています。
ジャズバーで流れてそうな雰囲気の曲と言うと伝わりやすいでしょうか?笑
4.My Romance
ここからがB面になります。
こちらもビル・エヴァンスの耽美的な演奏が堪能できる楽曲となっています。
さらにそこにベースとドラムのリズミカルなタッチが加わり、おしゃれな雰囲気を醸し出しています。
リズム感が特徴的でクセになってしまいそうな中毒性を持ち合わせています。
5.Some Other Time
しっとり穏やかなスローナンバー。
夜寝る前に聴くとゆっくりと心が落ち着くような、そんな雰囲気の1曲です。
6.Milestones
あのマイルス・デイビスの名曲のカバーになります。
元々はマイルスがトランペットで演奏しているこの楽曲をピアノで劇的アレンジ、また違った魅力に溢れた楽曲へと昇華しています。
このアルバム中、もっともアップテンポなリズム感で奏でられるこの楽曲はベース・ドラムのエネルギッシュさも加わり非常に爽快感を残してくれます。
7.I Loves You, Porgy
アルバムの最後を締めるのは、古くからのジャズのスタンダードナンバーでもあるこの楽曲。
どこまでも優しく穏やかに奏でられるピアノの音色はずっと聴いていたくなるような心地よさに包まれます。
ビル・エヴァンスの他にもキース・ジャレットのカバーなどが有名です。
まとめ
ジャズの永遠の名盤であり、初心者のジャズへの入り口としても知られるこのアルバムは、いつ聴いても変わらない普遍の美しさに溢れた1枚です。
ビル・エヴァンスのアルバムは他にもたくさんの傑作が揃っていますので、このアルバムが気に入った方は是非他のアルバムも聴いてみてください。
まるお