Thelonious Monk / Brilliant Corners
ジャズピアニストの中でも、ひと際個性的な演奏で知られるセロニアス・モンク。
彼の作品の中でも最高傑作と名高いのが今回紹介する「ブリリアント・コーナーズ」です。
とは言えこのアルバムはジャズ初心者にはおすすめしません。。
このアルバムにおけるモンクの独特な作風は、ある程度ジャズに耳が慣れていないと、いやある程度慣れていたとしても理解不能な部分を感じてしまいやすいからです。
モンクには他に比較的聴きやすい盤もあるので、そちらである程度モンクに慣れてからこのアルバムを聴いた方がより楽しめるかと思います。
そして、モンクの深い独創的な世界にハマったら、是非彼のソロピアノ作品も聴いてみてください。
1. Brilliant Corners
不思議な世界に迷い込んだかのような不穏な雰囲気のテーマから始まるオープニングナンバーです。
実はこのアルバムにはあのソニーロリンズも参加しており、なかなかの豪華な顔ぶれとなっています。
この楽曲の不思議な世界観に、ロリンズの太いテノールサックスの音色がめちゃくちゃハマってるんですよね。
難解と呼ばれる迷曲?ですが、1度ハマるとクセになる中毒性にあふれたナンバーです。
ちなみにこのアルバムは、トラック4.以外はすべてモンク作になります。
2. Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are
ゆるーい雰囲気で幕を開けるリラックスナンバーです。
気だるさすら感じるようなまったりとした感じがとても心地よいです。
13分を超える楽曲で、それぞれのソロが存分に堪能できます。
何でしょう、聴けば聴くほどに感じるこのえも言われぬ快感は。。
A面は2曲だけになりますが、気分はもうすっかりモンクの世界の虜ですね。
3. Pannonica
可愛らしいモンクのピアノ?(鉄琴のような音色)の雰囲気が、まるで子守唄のような安らぎとくつろぎをもたらしてくれます。
ふわふわと漂うような音像から、ロリンズのソロに切り替わる瞬間が個人的に大好きです。
本当に、モンクの作風にロリンズは最高にマッチしていますね。
4. I Surrender, Dear
このアルバムで唯一のモンク作ではないスタンダードナンバーで、このナンバーのみモンクのソロピアノが唯一聴けます。
他のジャズピアニストでは味わえないモンクだけの強烈な個性が存分に味わえます。
モンク特有の独特の「音と間とリズム」、これがクセになった方は是非モンクのソロピアノ作品を聴いてみてください。
5. Bemsha Swing
個性的なテーマから始まるこのアルバムのラストナンバー。
この曲のみトランペットのクラーク・テリーが参加しており、他の楽曲にはない魅力を放っています。
またこのトランペットの音がモンクのピアノと最高に合うんですよね。
そしてこのナンバーの一番のハイライトは何と言ってもドラムソロの激しさでしょう、マックス・ローチのドラミングが超かっこいいです。
まとめ
難解と言われながら名盤と評されるこの作品は、ハマると抜けられない不思議な魅力にあふれた作品です。
間違いなくモンクはジャズ界におけるひとりの天才で、そんなモンクが豪華なメンバーたちと作り上げたこのアルバムはまた間違いなく歴史的名作であることに間違いありません。
まるお