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レフト・アローン / マル・ウォルドロン【 Left Alone / Mal Waldron】LPレビュー

Left Alone / Mal Waldron

ジャズボーカル史上最高の女性シンガーと言われるビリー・ホリデイ。

彼女の晩年のピアノ伴奏者マル・ウォルドロンが、ビリー・ホリデイの死後に捧げた追悼アルバムがこの「レフト・アローン」です。

日本でもジャズ屈指の名盤として非常に人気の高いアルバムで、ジャズ喫茶においても大変人気を集めた1枚です。

 

このアルバムの魅力は、マル・ウォルドロンのピアノはもちろんのこと、アルトサックスのジャッキー・マクリーンの演奏にあります。

切なく響く音色が織りなす哀愁感はジャズ界においても右に出るものはない傑作アルバムです。

1. Left Alone

これほど哀しいジャズ曲があるだろうか?というくらいに哀愁に満ちたオープニングナンバー。

マルのビリーとの別れの痛々しい想いがこれでもかと伝わってきます。

さらにジャッキーの泣きのサックスがその悲しみを見事に表現しています。

ジャズの定番ナンバーであり有名ナンバーですが、いつ聴いてもやはりこの哀愁感は何とも言えませんね。

ジャズの世界に飛び込んだなら是非聴いてほしい名曲中の名曲です。

 

ちなみにこのアルバムでは、このナンバーのみジャッキー・マクリーンが参加しており、あとはすべてピアノトリオによるナンバーとなっています。

 

2. Catwalk

マルのピアノとベースのハーモニーが素晴らしいナンバーです。

1曲目のもの悲しい雰囲気の余韻を残しつつも、マルの卓越したピアノセンスを堪能できる1曲です。

時折強く打ちつけるような鍵盤の音色は、やや重ためのムードの楽曲においての良きアクセントになっています。

 

3. You Don’t Know What Love Is

ジョン・コルトレーンの「バラード」、そしてソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」という2枚の大名盤でも演奏されたスタンダードナンバーです。

しっとりした雰囲気の中、哀愁感や悲壮感を漂わせるマルの素晴らしい演奏が展開されます。

上記の2人の演奏と違い、管楽器を用いていないピアノがメインの演奏ですが、2人の名盤収録のものと比べても勝るとも劣らない名演です。


 

 


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4. Minor Pulsation

B面の幕開けはA面での重くもの悲しい雰囲気から一転、激しいドラミングとピアノが絡み合うオープニングが印象的なナンバーです。

終始軽快なテンポで進んでいくこのナンバーでもマルの高いピアノテクニックを存分に楽しむことができます。

終盤のドラムソロも非常に聴き応えがあります。

 

5. Airegin

ピアノの跳ねるような独特のリズム感が特徴のナンバーです。

このアルバムはA面とB面でかなり雰囲気の変わるアルバムとしても知られており、それぞれに好き嫌いが出やすいアルバムかと思います。

個人的には哀愁に満ちたA面も、マルのピアノテクニックが存分に発揮されたB面もどちらも好きです。

 

6. Mal Waldron: The Way He Remembers Billie Holiday

最後のトラックは、マルのビリーへの想いが語られています。

 

まとめ

アルバムのタイトルでもある1曲目の「レフト・アローン」はだけでも聴く価値のある名盤です。

ジャズ喫茶においても超がつくほどの名盤として知られているこのアルバムは、気分が沈んでいる時や浸りたい時、ムーディーな雰囲気の時に聴きたくなるような1枚です。

 

まるお