ヴィンテージデニムにおいて、その頂点に君臨するのが「501XX」です。
ヴィンテージ好き・デニム好きならいつかは手に入れたい至極の逸品として、永遠の憧れでもあります。
- 501XX(革パッチ)「1886〜1954年頃」
↓ - 501XX(紙パッチ)「1955〜1966年頃」
↓ - 501 BIGE「1966〜1973年頃」
↓ - 501 66前期(66single)「1973〜1976年頃」
↓ - 501 66後期(66chain)「1976〜1979年頃」
↓ - 501赤耳「1979〜1986年頃」
↓ - 501 USA製「1986〜2003年」
上記の表はヴィンテージ501をざっくりと分類したものですが、501XXはかなり古いアイテムになるため、サイズや状態の良いものはとんでもない価格で取引されることも珍しくありません。
その希少性は年々高まるばかりで、その高騰ぶりに資産目的で購入されるケースも少なくないと聞きます。
そんな501XXですが、ついに自分も手に入れることができたので、実際にアイテムを紹介しながら501XXについて解説していきたいと思います。
501XXとは?
501XXとは、リーバイスのヴィンテージジーンズであり、501はレギュラーストレートのロットナンバーを指し、XXは最高級のエクストラエクシードの略になります。
1886年からツーホースマークの革パッチが使われるようになり、501というロットナンバーが振られたのはその後の1890年になります。
おおむねその1890年から1966年頃製造に至るまでのモデルが501XXと呼ばれます。
501XXの年代判別
501XXは年代によって細かく分類することができます。
- サスペンダーモデル「〜1935年頃」
↓ - 赤タブモデル「1936年」
・赤タブ採用
↓ - 37モデル「1937〜1941年頃」
・サスペンダーボタン廃止
・隠しリベット採用
↓ - 大戦モデル「1942〜1946年頃」
・簡素化
↓ - 47モデル「1947〜1952年頃」
片面タブ革パッチ
・銅製リベット(1947〜1952)
↓ - 53モデル「1953〜1954年頃」
両面タブ革パッチ
・BIGE両面タブ(1953〜1964)
・銅メッキ鉄製リベット(1953〜1962)
・センターセットループ(〜1953)
・オフセットセンターループ(1954〜1963)
↓ - ギャラありモデル「1955〜1962年頃」
ギャラあり紙パッチ
・足長R(1955〜1970)
・銅メッキ鉄製リベット(1953〜1962)
↓ - ギャラなしモデル「1962〜1965年頃」
ギャラなし紙パッチ
・アルミ製リベット(1962〜1992)
・センターセットループ(1964〜)
・BIGE不均等V(1965〜1973)
↓ - 最終XXモデル「1965〜1966年頃」
・隠しリベット廃止(1966)
・裏カンヌキ(1966〜1986)
・股カンヌキ(1966〜)
かなり細かく分類すると上記のようになります。
年代やモデルの移り変わり、いわゆる過渡期のモデルは両方の年代やモデルのディティールを持つ個体も存在します。
ヴィンテージジーンズの特徴でもありますが、古いモデルになるほどその希少性は上がり価格も古くなるほど高額になります。
この歴史的背景もヴィンテージデニム好きの心をつかんで離さない大きな魅力のひとつです。
501XX
ここからは実際に自分が所有する501XXを紹介していきます。
それぞれのディティールを見ながら年代判別もしていきましょう。
全体シルエット
XXらしいテーパードがほとんどないズドンと太めのシルエットになります。
501はXXの後継モデルのBIGEモデルになるとややテーパードが効いたシルエットに変わっていきます。
XXの太めシルエットは存在感たっぷりでとてもかっこいいです。
ボタンフライなので501、隠しリベットがあるのでXX確定になります。
股カンヌキ
こちらも股カンヌキがないことからXX確定です。
ボタン
通常R、そしてフライボタンの下地がフラットです。
この部分は1952年を境にぶつぶつになっていくので、1952年以前のモデルと推測できます。
ここで少し脱線しますが、フライボタンが3つ?
通常501XXにはフライボタンが4つで、3つ以下のものは501BXXと呼ばれるW29インチ以下のボーイズサイズのものもあります。
なのですが、501XXのサイズの小さいものにもフライボタン3つのものが存在するのとのことなのです。
フライボタンが2つなら503BXX確定なのですが、3つはどちらの可能性もあるんです。
まとめると、
501XX→W30インチ以上、503BXX→W29インチ以下
- フライボタン4つ→501XX
- フライボタン3つ→どちらもある
- フライボタン2つ→503BXX
ロットやWが記載されているパッチも欠損しているので、これはもう実寸を測ってみるしかありません!
ウエスト
センターベルトループの中心までおおむね37cmなのでウエストサイズ74cmといったところでしょうか。
1インチ=2.54cmなので、実寸W29インチということになります。
このサイズは縮んだ後のサイズなので、縮む前のリジッド時の表記Wを算出するためには2インチプラスすると、この個体の表記Wは31インチだったことが推測できます。
30インチ以上になるので501XX確定になります。
サイドステッチ
サイドステッチが長めなのは40年代までのディティールです。
この個体は短めなので50年代のものと推測できます。
トップボタン裏
トップボタン裏はフラットで刻印はなしです。
フライボタン裏
フライボタン裏もフラットタイプになります。
ちなみに1940年代のものになるとドーム状に丸くなります。
ここまでで50年代は確定ですが、47モデルか53モデルかがまだ絞れません。
赤タブ
赤タブにもかなりダメージがあり明確な判別は難しいですが、、片面のような気がしなくもないです。。
ベルトセンターループ
ベルトセンターループはセンターセットなので1953年までで確定です。
さらに太めのベルトループになっています。
まだ明確な年代判別はできません。。
リベット
リベット刻印は全体に広いタイプで、これは50年代のディティールです。
40年代は中央に寄った刻印になります。
磁石チェックをしたところ磁石がくっつかなかったので銅製になります。
銅製リベットは1952年までのディティールです。
ここまでで、「1950〜1952年の47モデル後期 or 1952年頃の53モデルとの過渡期のモデル」ということががほぼ確定になります。
赤タブさえ明確に判断できれば、、といった結果になりました。
隠しリベット
隠しリベットの刻印は11になります。
バックポケット
バックポケットのアーキュエイトステッチはほぼなくなっていますが、ここからイエローステッチ=綿糸だったと読み取れます。
基本的にはイエローステッチが多く使われている個体ほど古い年代のものと言われます。
セルヴィッジ
もちろんセルヴィッジつきです。
コインポケット
コインポケット裏は耳付きでした。
ダメージ
ボタンホール、膝、股、お尻などにダメージはあるもののしっかりとリペアされており、着用してもすぐ破れるような感じはありませんでした。
このリペアの雰囲気は個人的にとても気に入っており、さらにこのダメージ&リペアだからこそ501XXでは比較的落ち着いた金額で購入できました。
もちろんダメージやリペアなしの501XXはとても魅力的ではありますが、とんでもない金額になるのは間違いありません。
実際に穿くのも、あまりに高額なものだと怖くて穿けなくなりそうなので、このくらいの個体の方が気兼ねなく着用できるかと思います。
着用画
shirts : パジャマシャツ 60’s
tops : rollingstones t-shirts
pants : levi’s 501XX 50’s
shoes : converse ct70
172cm54kgの自分が実際に着用してみました。
通常ジーンズはW30がジャストなのですが、こちらもジャストで穿くことができました。
仮にこの個体がボーイズ用の503BXXだった場合、最大サイズでもW29となり自分は穿くことができません。。
実際に着用して501XXということを再確認できました。
ウエスト・レングスともに言うことないサイズ感です。
501XXはさすがのオーラです。
ジーパン好きならいつか必ず手に入れてほしい、必ず最高の満足感を味わえるジーンズの1本になってくれると思います。
まとめ
ヴィンテージデニムの王様、501XXを紹介していきました。
501XXは全てのヴィンテージ好きデニム好きの憧れでもあります。
びっくりしてしまうくらい高額なアイテムとなってしまいましたが、ヴィンテージ好きデニム好きの方は是非人生をかけて最高の1本を探してみてはいかがでしょうか。
まるお