Cannonball Adderley / Somethin’Else
アルトサックス奏者のキャノンボール・アダレイの名作として知られる今作。
このアルバムは名目上のリーダーこそキャノンボールなんですが、実際にその指揮を取った実質上のリーダーは実はあのマイルス・デイビスなんです。
キャノンボールはマイルスデイビスの「カインド・オブ・ブルー」にも参加しており、この2人が紡ぎ出すハーモニーは絶品です。
さらにドラムにはこちらも数多くの名盤を生んだアート・ブレイキーが参加しておりまさに死角なしのメンバー編成です。
このアルバムには有名なスタンダードナンバーのカバーが収録されていることでも知られており、特に「枯葉」は最高傑作との評価も多いです。
1. Autumn Leaves (枯葉)
さまざまなアーティストによって演奏されている永遠のスタンダードナンバーとして知られるこの曲ですが、まさに究極の「枯葉」といえる素晴らしい演奏です。
切なげに響くマイルスのトランペットに寄り添うように呼応するキャノンボールのアルトサックスがもう悶絶のかっこよさです。
決して主張しすぎないベース・ドラムのリズム隊とピアノもまた名演です。
ジャズ界にたくさんの名曲あれども、間違いなくその最高峰に位置する楽曲だと思います。
この曲に関しては長々とした説明は不要でしょう、是非聴いて欲しい超名曲です。
2. Love For Sale
美しいピアノの旋律で始まると思いきや、すぐに転調しクールでおしゃれな雰囲気へと一変、この展開も非常にかっこいいんですよね。
マイルスの泣きのトランペットが炸裂します。
キャノンボールのソロはリズミカルでファンキーな雰囲気がこれまた非常にクールです。
3. Somthin’ Else
A面最後を飾るのは、アルバム表題曲のとってもご機嫌なナンバー。
ハネるようなリズムと明るいメロディーは、聴いていると自然に体が動き出しそうな非常に軽快で楽しい1曲です。
A面は尻上がりにテンションが上がっていくような曲構成となっており、この辺も聴いていてのめり込むポイントだと思います。
4. One For Daddy-O
トランペットとサックスの応酬から始まるファンキーなナンバーです。
特にマイルスのこれでもかと畳みかけるトランペットの演奏が非常に印象的です。
このアルバムは、A面の完成度が高すぎてB面はやや軽視されがちなんですが、こちらも聴いていて非常に気持ちが良い中毒性のある隠れた名曲です。
5. Dancing In The Dark
メロウなピアノとアルトサックスから始まるムーディーな1曲。
この曲の主役は間違いなくキャノンボールのアルトサックスのプレイと言って良いでしょう。
めちゃかっこいいです。
6. Alison’s Uncle
アルバムラストを飾るのは、伸びの良いキャノンボールのアルトサックスが聴いていて非常に気持ちが良いナンバーです。
どこか優しさも感じる曲でこのアルバムは終わりを迎えます。
まとめ
このアルバムの実質的なリーダーはマイルスなので、やはりマイルスの印象が強い1枚ではあるのですがキャノンボールのプレイも実に素晴らしく、名盤と言われるのも納得の1枚です。
「ジャズ初心者におすすめ」なんていう紹介をされることも多い1枚ですが、個人的にはマイルスやブレイキーなどを先にある程度聴いてからの方がよりその真髄に触れられるのではないかと思います。
まるお