ECWCSは、 Extended Cold Weather Clothing Systemの略称で、拡張式寒冷地被服システムのことです。
アメリカ軍が寒冷地での活動の先に着用するウェアとして製作されたレイヤリングシステムになっており、LEVEL1〜7まで存在します。
高い機能性を有するこのECWCSから、 LEVEL5にあたる「US ARMY ECWCS LEVEL5 ゴアテックスパーカー」(以下ゴアテックスパーカー)を紹介していきます。
US ARMY GEN1 ECWCS LEVEL5 ゴアテックスパーカーとは?
ECWCSのLEVEL5に相当するゴアテックスパーカーは、防水性・防風性に優れたハードシェルで、GEN1はgeneration1=第1世代を表しています。
最も大きな特徴が、シェルに高性能透湿性防水素材のGORE-TEXを使用している点です。
水の浸透を防ぎながら内側の湿度を逃がしてくれる今となってはアウトドアブランドでよく使用されていますが、これが1980年代に採用されていたことからも軍納入品のスペックの高さが伺えます。
実際に自分が所有する個体を見ながらそのディティールを紹介していきます。
US ARMY GEN1 ECWCS LEVEL5 ゴアテックスパーカー
全体シルエット
LEVEL5ということで、内側にある程度着込んでからの着用を想定されているため大きめの作りになります。
丈は長すぎず短すぎのミディアム丈といったところでしょうか。
襟立ての形状とフロントの比翼の細さから、GEN1の中期型と判別することができます。
- 前期型 → 襟立が非常に大きい
- 後期型 → フロント比翼が太くなる
素材感
ウッドランドカモのゴアテックス素材になります。
年代物のため、ゴアテックス機能がどこまで残っているかは定かではありませんが、表面生地はそれなりに水分を吸います。
大雨の日などは特に顕著です。
とは言えインナーにまで水分が浸透してくることはまずありませんので、雨を凌ぐ程度であれば十分です。
やはりヴィンテージなので機能性の劣化は少なからずあるかと思います。
自分の個体も多少の撥水性は有していますが、アウトドアブランドのような完全防水のイメージで購入されるとちょっと違うかもしれません。
フード
雨や雪を防止するためのつばがついています。
またドローコードで縛れるようになっています。
フロントポケット
大きめのフラップ付きのポケットになります。
マジックテープでの着脱タイプです。
フロントジップ
フロントジップは大きめのダブルジップになります。
ベンチレーション
脇下に内側の熱を逃すためのベンチレーションを有しています。
袖
袖はマジックテープで調整が可能です。
内側
内側には裏地が貼ってあり、それをめくるとゴアテックス素材の生地が見えてきます。
サイズ表記
自分が所有するのはmedium/regularというサイズになります。
mediumが身幅・肩幅、regularが着丈を表しています。
かなり大きめの作りになるので、L〜XL相当くらいの大きさはあるかと思います。
「DIA100-92-C4248」という記載があることから、1992年製のものと判別できます。
アメリカ軍の軍実物には必ずこのように製造番号などが記載されています。
着用画
outer : US ARMY ECWCS GEN1 LEVEL5 ゴアテックスパーカー
jacket : TCB Jeans 20’s jacket
pants : Uniqlo
shoes : palladium
172cm54kg痩せ型の自分が着用してみました。
インナーにデニムジャケットや厚手のニット、フリースなどを着ても十分すぎる余裕があります。
これ自体に保温性はありませんが、インナーにしっかり着込むことで防風性のあるシェルジャケットとして重宝します。
また、インナーにLEVEL3のフリースジャケットを着れば、真冬でも問題なく過ごせます。
もちろん春や秋のさらっとした羽織ものとしても活躍してくれます。
まとめ
古着界隈では定番物として高い人気を誇っているゴアテックスパーカー。
こちらも年々その価格が上昇してきており、状態のいい物やデッドストックのものはなかなか見つかりにくくなってきています。
雨の日に活躍するハイスペックで着回しがしやすく、またインナー次第で夏以外の季節に着用可能なゴアテックスパーカーはとてもおすすめのジャケットです。
デニムでもチノパンでも何にでも合わせやすいウッドランドカモのゴアテックスパーカー、是非チェックしてみてください。
まるお