「ミリタリー」と聞くと「男臭い」「野暮ったい」というイメージを持たれる方が多いと思います。
しかし、今回紹介する「イギリス軍 No.2 ドレスパンツ」(以下、no.2ドレスパンツ)はそんなイメージを180°変えてしまうくらい、いい意味でミリタリーっぽくないパンツなんです。
この記事では自分が所有するno.2ドレスパンツを紹介しながら、ミリタリーの奥深い魅力にあふれたこのパンツを詳しく解説していきます。
イギリス軍 No.2ドレスパンツとは?
no.2ドレスパンツは、1900年代〜2000年代に実際にイギリス軍で使用されていたパンツになります。
非常に上品な佇まいが特徴で、軍パンというよりもはやスラックスと呼んだほうがしっくりきます。
いわゆる軍パン=フィールドパンツと呼ばれるものは実際に戦場などで使われるためどうしてもタフな装いになりがちです。
しかしこのno.2ドレスパンツは、パレードや催事の際の巡礼服として用いられていたため、いわゆる軍パンとはやや異なる趣のパンツになります。
実はイギリス軍のドレスパンツは「フルドレス」と呼ばれるものを最上位に、no.1〜no.15までランクが存在し、このパンツはno.2になるのでかなりフォーマル向きの作りと言えるでしょう。
とはいえ実際にはガチガチのフォーマルウェアというものではなく、キレイめなパンツとして普段使い出来る汎用性を持ち合わせています。
イギリス軍 No.2ドレスパンツ
全体シルエット
ややテーパードが効いた非常にキレイなシルエットをしています。
全体的にはやや太さのあるゆったりとしたシルエットですが、センタークリースもついているので、穿いたときの雰囲気は上品なスラックスそのものです。
股上が深めなのと、タックが1タック入っていることにより、腰回りにゆとりが生まれて穿き心地もとても楽ちんです。
素材感
100%ウール素材となっており、光沢があって非常に上品な印象を与えてくれます。
チクチク感もあまりなく、夏以外の3シーズンで穿きこなすことができます。
ミリタリーには珍しいブラウンという色味も上品さをより醸し出しています。
ちなみに、no.2ドレスパンツと全く同じ色・形で素材だけが違うパンツも存在します。
「バラックパンツ」と呼ばれるそちらのパンツは、ウールにポリエステルの混合素材となっています。
パッと見はあまり違いは分かりませんが、よく見るとウール100%のno.2ドレスパンツの方が「やや上品な素材が使われている」といった印象を受けます。
サイドアジャスター
このサイドアジャスターが結構便利で、自分もサイドアジャスターの調整のみでベルトをせずに穿いています。
ベルトループ
太めのベルトループがついているので、タックインしてベルトを見せるような穿き方もハマります。
フロント
フロント周りの作りは完全にスラックスのそれですね。
タックとセンタークリースがこのパンツの魅力をより高めていると言えるでしょう。
ジッパーフライ
ジッパーフライとなっており、着脱も非常に簡単です。
この辺は近代ミリタリーの要素が強い印象ですね。
内側
内側を見てみると、サスペンダーの取り付け可能なボタンが配されています。
ベルト、サイドアジャスター、そしてサスペンダーと3種類の穿き方が可能です。
サイズ表記
自分が所有しているのは、レングス72・ウエスト80の個体になります。
ウエストはサイドアジャスターがあるのでベルトなしで穿けますが、レングスは若干長いのでロールアップして穿くことが多いです。
ロールアップをせずにワンクッションで穿くことも可能なレングス丈になります。
サイズ展開はかなり豊富にあるので、是非自分に合うサイズを選んでみてください。
著用画
jacket : 60s ハリスツイード ウールジャケット
tops : ヴィンテージ アディダス トラックジャケット
pants : イギリス軍 No.2ドレスパンツ
shoes : redwing 2268 pt91
172cm54kg痩せ型の自分が実際に着用してみました。
シルエットのキレイさがお分かり頂けるかと思います。
実際にはある程度太さのあるパンツなのですが、センタークリースのおかげで前から見たシルエットはそれほどボリュームが出ないので、非常に上品な印象を与えることができます。
裾は少し長いので折り返して穿いています。
ロールアップしても折り目にそれほどボリュームがつかないのもポイントですね。
まとめ
いわゆる軍パンと呼ぶにはちょっと上品すぎるno.2ドレスパンツですが、穿いてみるとそれほどカチッとしすぎないので、綺麗めコーデはもちろん、カジュアルコーデの外しとしても使える1本です。
驚くことにこんなに魅力的なパンツなのに古着屋さんの相場もまだそれほど高くなっていないんですね。
デッドストックでの購入でもそれほど価格は高くならないかと思うので、是非チェックしてみて下さい。
まるお