男性なら一度は穿いたことのあるチノパン。
ミリタリーがその起源となっており、チノパンは実際に軍隊で採用され使用されていたのが始まりなんです。
そんなチノパンですが、フランス軍のM51チノと並んで非常に人気の高いチノパンが存在します。
それが「US ARMY 45カーキ チノトラウザー」(以下45カーキ)です。
もはや古着屋さんでも枯渇状態でなかなかお目にかかれない上に、運良く出会えても非常に高騰が進んでおり高額な1本となっています。
この記事ではそんな45カーキについて詳しく解説していきます。
US ARMY 45カーキ チノトラウザーズとは?
45カーキはその名の通り1945年からアメリカ軍で製造が始まったチノパンになります。
アメリカ軍のチノパンは年代ごとでディティールが異なり、それぞれの魅力がありますが1940年代のものは古いヴィンテージディティール満載で、他の年代と比べると頭ひとつ抜けた人気を集めています。
45カーキの前身は43カーキ、41カーキと呼ばれるさらに年代が古いものも存在しますが、この辺はスペシャル扱いのヴィンテージとなっており、とても手が出せない金額で扱われています。。
自分が所有しているものも45カーキなんですが、じゃあなぜ他の年代に比べて40年代のアメリカ軍チノパンがそれほど人気なのか?
40年代までにしか存在しない特有のディティールを下にまとめてみました。
- サイドシームのダブルステッチ
- 斜めに付くサイドポケット
- 細くて長いベルトループ
- 尿素ボタン
- パックポケット両玉縁(片玉縁)
ちなみに、45カーキはあくまで1945年から製造が始まったものを指し、50年代頭の45カーキというのも存在します。
同じ45カーキであっても上記のディティールが見られないものも存在し、それらはおおよそ50年代頭のものとなることが多いです。
50年代中盤になると一気にディティールの変化が進み、45カーキとはまったくの別物になっていきます。
そしてその変化は60年代→70年代と時代に合わせてその形を変えていきます。
45カーキはその人気ぶりから多くのレプリカブランドからも発売されています。
US ARMY 45カーキ チノトラウザーズ
全体シルエット
テーパードの効かないワイドストレート、いわゆる太めの土管シルエットになります。
とは言えフランス軍M51チノのような極太シルエットではないので、太めのパンツを普段穿く方ならまったく気にならない太さです。
とは言えテーパードなしなのでやや野暮ったいシルエットになりがちではあります。
これが後年のモデルになるとテーパードが効いたシルエットに変わるので、ワイドストレートが苦手な方は60年代以降のモデルをおすすめします。
素材感
ウエストポイントと呼ばれ、一般的なチノパンのチノクロスよりも丈夫と言われています。
光沢とハリがあり、手触りも非常にしっかりしています。
1点解けない謎がありまして、、通常ウエストポイントは右綾と言われることが多いんですが左綾の45カーキも時折見かけるんですよね。
自分の所有するものも左綾なんですが、素材感などはほぼ変わらないという。。
古い年代のものですし、ミリタリー物はさまざまな仕様が存在することが魅力のひとつなんですけどね。
サイドシーム
ここからは40年代の45カーキ特有のディティールになります。
サイドシームがダブルステッチになっており、経年によって特有のアタリが生まれ独特の表情をもたらしてくれます。
ここを見ればある程度の年代判別ができてしまうくらい重要なヴィンテージディティールです。
サイドポケット
40年代の45カーキは斜めにサイドポケットが取り付けられていますが、年代が進むとサイドシームに沿ってまっすぐ取り付けられるようになります。
個人的には斜めについている方が手を入れやすくて便利です。
ベルトループ
こちらも年代が進むと太く短いベルトループへと変化していきます。
この変化によって、新しい年代のアメリカ軍のチノパンは太いベルトを通せなくなってしまうんですよね。
ボタンフライ
フロントはボタンフライになっており、これも年代が進むとジッパーフライに変化していきます。
さらに40年代の45カーキには古いヴィンテージのディティールとして有名な尿素ボタンが使われており、こちらもプラスチックボタンへと変わっていきます。
バックポケット
40年代の45カーキではバックポケットにボタンはつきませんが、50年代に入るとバックポケットにボタンがつくようになります。
さらに40年代の特徴として両玉縁(片玉縁)になっています。
ここでも謎が1点ありまして、、両玉縁は43カーキ、片玉縁が45カーキというのが定説なのですが、自分の所有する45カーキは両玉縁なんです。。
とはいえ43カーキ特有のディティールは見られないという、、45カーキの初期のものなのか?と推測しています。。
サイズ表記
28×34表記のもので、ウエスト28・レングス34の個体になります。
普段ジーンズは30〜31(縮み換算だと28〜29)を穿くのでサイズ的には問題ないんですが、本当にジャストで少しでもお腹が出ると危険なサイズです。。
股上が深いのでおへそ下で穿いている感じです。
45カーキに限らずアメリカ軍のチノパンは表記サイズよりも小さく感じることが多いので、購入の際は試着をおすすめします。
ステンシル
にじんでいるためはっきりと読み取れない部分もありますが、1945という表記があるのが見えますね。
ミリタリー好きあるあるかと思いますが、なんでステンシルってこんなにときめくんでしょう笑
着用画
jacket : TCB Jeans 20’s jacket
tops : nike
pants : US ARMY 45カーキ チノトラウザーズ
shoes : french army サービスシューズ
172cm56kg痩せ型の自分が28×34を実際に着用してみました。
レングスは長いので折り返して穿いています。
穿くと分かるんですが、本当に股上が深いので足が長く見えるんですよね。
太めではありますが決して太すぎることはないシルエットなので、コーディネートも意外と何でも合わせることが可能だと思います。
まとめ
45カーキはすでに古着屋さんでも枯渇と高騰が進んでいるので、マイサイズをゲットするのは自分もなかなか時間がかかりましたが、今ならまだまったく見つからないというほどでもありません。
年代は気にしないよ、という方であれば60年代や70年代のものはまだまだ手に入れやすいかと思います。
それでも5年後今と同じ状況かはわからないので、気になる方は早めにチェックしてみてくださいね。
まるお